AR、VR、そしてAI。いま教育の現場では、この3つを組み合わせた学びのアップデートが静かに進んでいます。
今回MyWebARブログでは、AR・VR・AIを授業に取り入れている教育者 Michael Voskoboynik(マイケル・ヴォスコボイニク) さんにインタビューしました。複数のメディアで彼の取り組みを知り、さらに ISTELive 2024(米国コロラド州デンバー) に参加していることをきっかけに、短いお話を伺うことに。授業の中でどんなプロジェクトを行い、どんな変化が起きているのか。現場ならではのリアルな声をお届けします。

Michael Voskoboynik
Technology Coordinator and Technology Teacher
Hasten Hebrew Academy of Indianapolis
まずは自己紹介をお願いします。テクノロジー教師としての歩みも教えてください。
私はウクライナで生まれ育ち、1992年にアメリカへ移住しました。移住前は数学教師でしたが、渡米後も幸運なことに教育の仕事を続けることができました。数学に加えてテクノロジーも教えるようになり、そこから「テクノロジーを使って家族の歴史を掘り下げる」ことに強い関心を持つようになりました。
生徒たちが自分のルーツをたどり、祖先の物語に向き合えるようなプロジェクトをいくつも作ってきました。たとえば「Virtual Trip to Eastern Europe」というホロコースト関連のプロジェクトでは、生徒が親族のホロコースト体験を調査し、そのストーリーが“生きた形”で伝わるように発表します。この取り組みは発展し、学校の受賞歴のあるインタラクティブなホロコースト博物館の制作にもつながりました。
この10年ほどで、生徒たちは世界各地のカンファレンスやイベントに選抜され、プロジェクトを発表してきました。
ARに初めて出会ったのはいつですか。生徒と取り組む中で、最初はどう感じましたか。
私はテクノロジーを教え始めた頃から、教育系のカンファレンスに参加してきました。新しい技術が出てくれば、できるだけ早く触れて学ぶようにしています。
2010年代にAurasmaが登場したときも、すぐに使い始めました。2016年の発表スライドの例があります。1928年に撮られた祖父母の結婚式の写真にスマホのカメラを向けると、昔のユダヤ式結婚式の映像が画面上に現れる、というものです。
ほかにもMerge Cubeを使ったARプロジェクトを、その環境内やCoSpacesと組み合わせて行いました。私の目標は当時も今も変わらず、「用意されたものを体験するだけでなく、生徒自身がARのコンテンツを作ること」です。その頃から生徒の3Dスキャンも始め、アニメーション化した3DスキャンをさまざまなARプロジェクトに組み込んできました。
3Dスキャンを扱う上で一番シンプルだったのは、Windowsに含まれていたMicrosoft 3D Viewerです。Adobe Aeroもよく使いました。そして昨年、私たちのところにもMyWebARがやってきました。

教育プログラムにARを取り入れようと思ったきっかけは何でしたか。
ARを授業に取り入れると、生徒が没入感のあるインタラクティブな学びを自分たちで作れるようになります。複雑な概念を視覚化でき、教材への関与が深まり、結果として理解や記憶の定着も良くなります。
学校でARを使ったプロジェクトで、特に印象に残っているものはありますか。
この分野でのプロジェクトは3年以上続けています。MyWebAR以前にも、VRやARを学びに取り入れるさまざまな工夫をしてきました。
昨年、フィラデルフィアで開催されたISTE23 LiveでMyWebARを見つけました。動作の仕組みがとても気に入り、帰宅してすぐにMyWebARのPRチームに連絡しました。数週間で私たち向けの教育プラットフォームが整いました。
昨年度は、4年生から8年生の生徒がMyWebARで制作を楽しみました。さらにイスラエルの提携校とも共有し、向こうの生徒たちも一緒に協働プロジェクトを作りました。印象的だったのは、ARマスクやAvatar2Gether Book(提携校との共同制作)、生徒が好きなヒーローを題材にしたARブックなどです。
そして私の個人的なお気に入りがあります。いまウクライナで教師をしている大学時代の同級生のために作った作品です。彼女の3Dアバターを生成し、ウクライナカラーのシャツを着せ、ウクライナの音楽を背景に入れました。MyWebARの話も伝えたところ、とても関心を持ってくれました。

AR活用の結果は期待通りでしたか。生徒にはどんな良い影響がありましたか。
期待を上回る結果でした。生徒のエンゲージメントが高まり、難しい概念の理解も明らかに改善しました。ARの没入体験は学びをよりインタラクティブで楽しいものにし、記憶の定着にもつながります。
さらに、生徒が新しい方法で教材を探究し、触って試していく中で、協働や創造性も育っていきました。



2024年6月のISTELive参加について教えてください。生徒と準備したプロジェクトや、会場の反応はどうでしたか。
ISTEでの発表は今回で8年連続です。毎年、参加者に向けて新しいものを用意しています。今回のテーマは
「Unleashing Creativity: Generating, Animating and Coding 3D Student Avatars for Interactive School Projects」
生徒が作る3Dアバターを生成し、アニメーションを付け、コードで動かしながら学校プロジェクトに落とし込むという内容です。発表の重要なパートとしてMyWebARのプロジェクトも組み込みました。
2つのセッションに参加した多くの方にとって、これはまったく新しくユニークな体験だったと思います。会場の反応からも、強いワクワク感が伝わってきました。






教育におけるARとVRの未来をどう見ていますか。
ARとVRはすでにかなり広がってきていると感じています。そこにAIが加わることで、学びはさらに大きく変わるはずです。AR、VR、AIは、教育の進化において重要な役割を担っていくと思います。

